ソニーグループとのJV設立

 任天堂による提訴を受けポケットペアは19日、以下のコメントを発表した。

「当社は東京を拠点とする小規模なインディーゲーム開発会社です。私たちの目標は常に楽しいゲームを作り続けることです。この目標は今後も変わらず、多くのゲーマーの皆様に喜びを提供するために、ゲーム開発を続けます」

「今回の訴訟により、ゲーム開発以外の問題に多くの時間を割かざるを得ない可能性がある状況は非常に残念ですが、ファンの皆様のため、そしてインディーゲーム開発者が自由な発想を妨げられ萎縮することがないよう、最善を尽くしてまいります」

 このコメントに前出・岩崎氏はこう疑問を投げかける。

「ポケットペアの声明を裏から読むと、同社が『インディーゲームだから特許権を侵害しても許される』という考えを持っているかのような印象を与えかねないと感じます。たとえばコロプラは任天堂に提訴された際に声明で『特許権の侵害は一切ない』と主張しましたが、今回のポケットペアの声明には、そのような記述は見当たりません。もし特許権の侵害は存在しないという考えであるならば、コロプラのような対応・主張のほうが真っ当といえるのではないでしょうか」

 ポケットペアは同社がインディーゲーム開発会社であることを強調しているが、ゲーム業界関係はこう疑問を呈する。

「ポケットペアはソニーミュージックエンタテインメントとアニプレックスの3社でJVを設立すると発表し、『パルワールド』のIPを世界に拡大させるとしていますが、これは大手であり、PlayStationを持ち任天堂にとっては強力な競合他社であるソニーグループと手を組んで、キャラクタービジネスを積極的に展開していくことを意味します。任天堂としては、『キャラクターや技術をパクっておいて数百億円を稼いだ上に、ソニーと組んでそのキャラクターでも大々的に稼いでいきますよというのは、さすがにやり過ぎですよ』という判断なのでは。『パルワールド』の販売だけにとどまっていれば、おそらく任天堂は許容範囲とはいえないまでも、ギリギリのラインということで見過ごしたのではないでしょうか」   (文=Business Journal編集部、協力=岩崎啓眞/ゲームプロデューサー、ゲームライター)

提供元・Business Journal

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