クリスマスを3日前に控えた21日、プラハの大学内で発生した銃乱射事件は、チェコ国民に大きな衝撃を投げかけている。
プラハからの情報によると、チェコの首都プラハにある名門カレル大学(1348年創設、学生数4万9500人)の哲学部の構内で21日午後3時(現地時間)、同大学芸術学部に所属する24歳の男子学生が銃を乱射し、少なくとも14人が死亡、25人が負傷(そのうち10人は重傷)するという事件が発生した。銃撃犯は現場近くで死んでいた。自殺の可能性が高いが、最終的結論は司法解剖まで待たなければならない。
銃撃事件はプラハ旧市内のヤン・パラハ広場にあるカレル大学哲学部で発生した。多くの学生、教師、大学職員らは講堂やオフィスにバリケードなどを築いて身を隠したという。犯人は教室の窓からも路上の人間に向けて発射した。ヤン・パラフ広場は、ヴルタヴァ川沿いの観光名所カレル橋からわずか数百メートルの距離にある。警察当局は周囲を包囲して警戒態勢を敷く一方、周辺住民には家から出ないように呼び掛けた。
マルティン・フォンドラセク警察長官(Martin Vondrasek)は、「事件の前、プラハ西部のホストン市で銃撃犯の父親(55)が遺体で発見された。警察当局は銃撃犯が父親を殺害したと疑い、捜査を始めていた。銃撃犯は自殺したいと漏らし、プラハに向かっているという情報を得たので、犯人が講義に出席する予定だった文学部の本館を捜索したが、銃撃犯は別の学部棟に行って銃を乱射した。そのため間に合わなかった」という。同長官によると、「犯人はプラハ近郊の森で15日、男性と生後2カ月の娘の遺体が発見された事件に関与した可能性もある」という。
銃撃犯(David Kozak)の犯行動機については現時点では不明。問題は、銃撃犯がどこから武器を入手したかだ。犯人の自宅を捜査した警察官によると、「大量の銃器と弾薬が発見された」という。未確認情報だが、犯人は最近ロシアで起きた同じような銃撃事件に刺激を受け、「ロシアの事件以上に多くの人間を射殺したい」と述べていたという。SNSのテレグラムによると、犯人は「全ての人間は自分を憎んでいるが、自分も全ての人間を憎悪している」と語っていたという。BBCによると、犯人に前科はない。