koyu/iStock

近著に「テックラッシュ戦記ー Amazonロビイストが日本を動かした方法」のある渡辺弘美氏は、筆者が客員教授を務める国際大学GLOCOMが、3月5日に開催した「GLOCOM六本木会議オンライン#75 『テックラッシュ戦記』執筆の動機」で執筆の動機を紹介した。

以下にその傍聴記を記す。

ミッションの重要性

テックラッシュ(techlash)とは、技術(technology)と反発(backlash)が合わさってできた造語。 渡辺氏がタイトルにポスト・テックラッシュという言葉を提案したと述べたように、巨大テック企業に対する反発感情を意味する言葉でもある。

渡辺氏は3枚のスライドで26項目を取り上げて解説した。

最初の「政策立案者を念頭に」の「国家像がない中での“空気感”(臨在感的把握 by 山本七平)による政策立案の懸念」、「公共政策関係者を念頭に」の「経営陣と直結しミッションを負っているか」、「伝統的日本企業の経営者を念頭に」の「研ぎ澄まされたミッション下で社員が同じベクトルを向き最大能力を発揮しているか」の項目で取り上げられている、ミッション(志)の重要性については筆者も「著作権法がソーシャルメディアを殺す 」(2013年)の「あとがき」で指摘しているので、以下に抜粋する。