そもそも、保坂区長主導の「世田谷モデル」は、すでに(財)日本公衆衛生協会がまとめた「新型コロナウイルス感染症対応記録」(p264)の中で、
(世田谷モデルは)メディアでは好意的に報道された。当初対象とされた90万区民は、介護施設職員ら約2万3,000人に大幅に縮小され、しかも、陽性と判明したのはわずか25人であった。これは、事前の計算から十分に予測できたことであり、予算が4億円超と聞けば、区長の事後のコメント「施設関係者の感染を減らし、医療の逼迫を抑える効果はあった」を肯定的に受け取るのは不可能だ。
と、失敗例として報告されている。
専門家に一刀両断されているのに、この期に及んで区民の税金を使い、区長の礼賛記録を発行するとは言語道断である。
PCR検査対応はもとより、抗原検査キットを無料で駅頭でバラ撒き、転売ヤーの餌食にされたり、学校では修学旅行を一律に中止しようとしたり(ひえしまの指摘で後に撤回)、黙食をダラダラと続けたり(同じく後に撤回)、と世田谷モデルは失敗例としてしか、多くの人々にとっては意味をなさない。そのことに一切触れないところに、保坂区政の本性が象徴的に表れている。
保坂区長はこのほど『国より先に、やりました』を上梓したが、肝心なことは「何をやるか」であり、何でも国のやることを否定することではない。区民は、世田谷区が国と都と連携し、スピーディーに必要な政策を効果的に実行することこそを求めているはずだ。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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