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経営者をサポートする士業と呼ばれる専門家がいます。難関資格を保有する専門家として尊敬を集める一方、同じ資格保有者でも仕事内容や方針、そして能力も当然異なります。

「いつの間にか人気資格となった社会保険労務士ですが、士業の中で最も実力差が激しいかもしれません。労務というセンシティブな仕事を任せる訳ですから、きちんと”プロ士業”を選びたいですよね。」

そう語るのは士業向けの経営コンサルタントで自身も士業(特定行政書士)である横須賀輝尚氏。同氏の著書「プロが教える潰れる会社のシグナル」から、プロ士業の見抜き方を再構成してお届けします。

助成金業務は、コンサルティングも提案させる

いわゆる手続き業務については、はおおよそどの社労士でも問題なくこなします。ポイントは、それ以上の仕事ができるかどうかです。

社労士の法定業務の中でいえば、就業規則。そして助成金に大きな差が出ます。加えて、法定業務でない労務上の問題をどれだけ解決できる能力があるか。ここまでくると大変貴重な人材なので、見つけたら絶対に手放さないようにしてください。

わかりやすく、助成金業務の頼み方について解説をしていきましょう。

助成金は、要件さえ満たせば必ず受給できるお金です。そのため社労士としては売りやすい商品だと言えますし、これを専門的に扱う事務所も多いもの。

その中の特徴として、社労士は「助成金業務は、自分の顧問先以外はやりたがらない」という傾向が強くあります。これはどういうことでしょうか。

助成金業務による社労士の報酬は、おおよそ受給額の10%から20%。30%はちょっと多いかなというのが相場感です。着手金を取るところもあれば、顧問先からは着手金を取らないという事務所もあり、おおよそ2割程度の報酬を支払うことになると考えておけば、大きな認識違いは起こりません。