同じ日本でも都道府県によって平均年収は大きく異なり、1位と最下位には160万円以上の差がある。都道府県を越える転職を考えているなら、都道府県別の平均年収ランキングは必ず目を通しておきたい。

47都道府県の平均年収ランキング

厚生労働省は「賃金構造基本統計調査」を毎年実施しており、その中で都道府県別の平均賃金(平均月収)を公表している。最新版である令和元年(2019年)の平均月収を12倍し、都道府県別の平均年収ランキングとして紹介しよう。

ただし以下のランキングの数字は、「賞与」などを含んでいない。賞与などを含めるとその分金額が上がることを念頭に、ランキングを眺めてほしい。

ちなみに全国平均は369万円で、400万円を超えているのは東京都と神奈川県だけだ。逆に200万円台は、東北地方と九州地方の6県である。

<1~10位>
1位:東京都(455万円)
2位:神奈川県(409万円)
3位:大阪府(399万円)
4位:愛知県(382万円)
5位:兵庫県(366万円)
6位:奈良県(365万円)
7位:千葉県(364万円)
8位:埼玉県(362万円)
9位:広島県(361万円)
10位:京都府(361万円)

<11~20位>
11位:滋賀県(359万円)
12位:茨城県(358万円)
13位:三重県(356万円)
14位:栃木県(351万円)
15位:福岡県(349万円)
16位:群馬県(345万円)
17位:宮城県(345万円)
18位:静岡県(345万円)
19位:長野県(340万円)
20位:石川県(339万円)

<21位から30位>
21位:岐阜県(339万円)
22位:山梨県(339万円)
23位:北海道(337万円)
24位:岡山県(337万円)
25位:山口県(335万円)
26位:和歌山県(334万円)
27位:富山県(333万円)
28位:福井県(332万円)
29位:徳島県(330万円)
30位:香川県(327万円)

<31位から40位>
31位:高知県(319万円)
32位:新潟県(316万円)
33位:福島県(313万円)
34位:大分県(312万円)
35位:愛媛県(312万円)
36位:熊本県(311万円)
37位:島根県(310万円)
38位:鹿児島県(309万円)
39位:鳥取県(302万円)
40位:沖縄県(302万円)

<41位から47位>
41位:長崎県(300万円)
42位:佐賀県(299万円)
43位:岩手県(295万円)
44位:山形県(294万円)
45位:秋田県(293万円)
46位:宮崎県(292万円)
47位:青森県(287万円)

トップ3の傾向は?大都市圏は所得が高い

このランキングにおけるトップ3は、1位が東京で455万円、2位が神奈川で409万円、3位が大阪で399万円。関東と関西の大都市圏は、所得が高い傾向があることが改めて鮮明になった。

ワースト3の傾向は?東京から遠い県は給与が低い

このランキングにおけるワースト3は、47位が青森県で287万円、46位が宮崎県で292万円、45位が秋田県で293万円。北海道は別として、東京と離れるほど賃金が低くなる傾向があることがわかる。

地方だからといって高年収は不可能ではない

都道府県別の平均年収を単純比較すると、1位の東京都と47位の青森県には168万円もの差がある。賞与などを含めれば、その差はさらに大きくなるだろう。

年収が低いところでも、高年収を狙うことは不可能ではない。銀行や電力会社、テレビ局、新聞社、地場の有力建設会社などに転職すれば、関東圏・関西圏並みの給与を受け取ることもできる。

とはいえ、誰もが地方でそのような企業に転職できるわけではない。当然ながら高年収が狙える企業は応募者が多いため、中途採用で入社するのは簡単ではないはずだ。

時代は変わり、今は「地方で起業」もあり

少し話はそれるが、子育てのしやすさや親の介護などの都合で地方に移住する場合、企業に就職するのではなく自ら起業するという選択も珍しくなくなった。

昨今は大手企業でも「クラウドワークス」などのクラウドソーシングサイトを通じて、専門スキルを持った外部人材に業務の一部を委託するケースが増えている。一念発起して起業し、受託型で収入を得れば、会社員時代よりも高い年収を狙える。

都道府県別の年収ランキングは、地方への移住を検討しているなら押さえておきたい情報だ。しかし平均年収が低い地域でも、給与が高い企業は少なからずある。また最近は、地方に移住して起業するという選択肢もある。自分が求める収入額や生活スタイル、仕事観、将来のビジョンを鑑みて、地方への移住や職業の選択を検討してほしい。

 
執筆・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)

国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。  

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