自民党に対する信頼というのは地に落ちてしまいました。「政治にはカネがかかる」――経済政策遂行に当たってお金が要るという部分はあっても良いですが、選挙に勝つ為お金が使われるというのでは本末転倒だと思います。清き一票を得るに本当にお金が必要か、私も非常に疑問視しています。今時分もう少し有効なお金の使い方があるのではないでしょうか。

政治の根本およびその得失を論じた『申鑒(しんかん)』を著し献帝に奉った後漢の学者である荀悦(じゅんえつ)は、当思想書の中で「政を致すの術は、先ず、四患を屏(しりぞ)く」として「偽私放奢」の四つの患(わざわい)を挙げています。此の「亡国への道」としての偽私放奢、「偽…二枚舌、公約違反のたぐい」「私…私心、或いは私利私欲」「放…放漫、節度のない状態」「奢…贅沢、ムダ使い、或いは心の驕り」とは、「この中の一つが目立っても国は傾く」というものです。

『論語』には「信なくんば立たず」(顔淵第十二の七)という政治の要諦がありますが、自民党不信が払拭されて行かなければ最早その政治は成り立たなくなるのです。従って派閥の行方につき派閥の領袖中心というのではなくて、今日にも決定される中間取りまとめを踏まえ、民意を問い民主的評決を得るべくして、取り敢えず党員の声も広く求めるべきだと思います。

編集部より:この記事は、「北尾吉孝日記」2024年1月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?