IPCC報告には下記の図1が出ていて、地球の平均気温について観測値(黒太線)とモデル計算値(カラーの細線。赤太線はその平均値)はだいたい過去について一致している、という印象を与える。
けれども、図の左側に書いてある縦軸は平年値(1961年から1990年の平均気温)からのアノマリ(偏差)であって気温そのものではない。
そしてよく見ると図の右側には1961年から1990年の平均気温、というのがプロットしてあって、ずいぶんとばらついている。これはなんだ?
こんな細工をせず、もっと正直に、モデルの計算した気温をプロットするとどうなるか?
すると分かることは、本当にモデルによって全然平均気温が違うことだ(図2)。上は15.5度ぐらいから、下は13度ぐらいまである。これから0.5度か1度の気温上昇をどうするかという脱炭素政策が議論されているが、その根拠になっているモデルはどうかと言えば、計算する人によって、現在の気温ですらこれだけ異なる。