声をかけて退店を促すのは勇気がいる

 ここ数年、「鳥貴族」や「スシロー」など、一人席を設ける外食チェーン店は増えている。背景には何があるのか。

「『お一人様』というワードが世の中に浸透し、飲食業界においても一人で行動するお客さんに利用してもらえるよう1人席を設けたり増やす傾向にあります。友達とお酒を飲みに行ったり食事をしたりするというのは『わざわざする行動』ですが、日常における食事は毎日のことなので、一人でも気軽にふらっと入れるお店があれば、そのお店を利用する人が発生します。ラーメン屋のカウンター、牛丼屋のカウンターは1人専用席ではありませんが、カウンターというのはお一人様が入りやすい環境です。1人席が用意されているお店だと、さらにその吸引力は高まります。そこに目を付けたお店は、1人席を意識した店舗の造りやメニュー開発をしています」(江間氏)

 前述のとおり、カフェや喫茶店では少額の注文で何時間も長居するPCワーカーが増加し、その対応に店舗側が悩まされるケースが増えているという。カフェチェーンの店員はいう。

「ノートPCを開けて作業しているお客さんは多いですが、長くても1~2時間くらいで帰っていきます。たまにコーヒー1杯で4時間も5時間も席を占領している人もいますが、カップにドリンクが残ったままだと、声をかけて退店を促すのは、なかなか勇気がいります。それでも、明らかに食事が終わっているのに何時間も滞在している人にはフロアリーダーの判断で声をかけるルールになっています」