成田の問題点はたくさんあります。第一ターミナルの構造は基本的に1978年開業当時から変わらず、第一と第二を結ぶアクセスは構造が複雑になりすぎて時間がかかる、空港の人員収容キャパが全然足りず、搭乗口前の待合場所はぎゅう詰めで座るところにありつけない、土産物屋は長蛇の列、飲食店も数が足りず、税関の自動手続きも今一つで従来の人がいるところの方が早かったりする、制限区域から外に出たところの狭さと人の混雑具合には閉口…。もちろんもっと細かい不満もあります。トランジットの客を喜ばせる仕組みも欲しいところです。
成田と都心のアクセスについては距離的にも時間的にもJRより京成電鉄に分があるのですが、スカイライナーが京成上野というしょぼい隔離された駅に着くので実質的に日暮里が乗り換え拠点。ところがその日暮里駅も狭いのです。
数年に一度程度しか利用しないなら文句はないのでしょう。また観光旅行する人にも時間や利便性は二の次でしょう。しかし、頻繁に利用する人にとってハブ空港の利便性は極めて重要な課題であるのです。また成田は北米の主要都市に最も近いアジアの主要都市であることを踏まえ、もう少し成田空港の価値を国際基準に引き上げるべきだと思います。
実際、成田は3本目の滑走路を2028年に向けて整備します。またターミナルの刷新に関する検討も開始されています。それは言うまでもなく、空港キャパの大幅見直しということでしょう。またご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、成田空港線は単線なのです。JRと京成が一本ずつ分け合っており、双方の軌間が違うため、乗り合わせができないのです。これがJR、京成共に運行本数を画期的に増やせない根本原因の一つでもあります。今の時代に国際空港に通じる線路が単線なんて信じられないでしょう。そして例の幻の成田新幹線用高架橋残骸もしっかり残っております。
確かに成田空港は反対運動が酷く、日本の歴史であったと思います。私が成田に住んでいた時、反対派の拠点を通って通勤しており、当時空港の仕事も請け負っていたのでそりゃもう厳戒態勢そのものでこれは何なのだろうというのは懐かしい思い出です。