東京エレクトロンの強さの秘密
当サイトは2月29日付記事『時価総額3位に浮上、東京エレクトロンとは何者?純利益3千億円の優良大企業』で同社の経営に迫っていたが、以下に再掲載する。
※以下、肩書・数字・時間表記・固有名詞等は掲載当時のまま
――以下、再掲載――
今月、半導体装置メーカー・東京エレクトロンの株式時価総額がソニーグループやNTTなどを抜き、1位のトヨタ自動車、2位の三菱UFJフィナンシャル・グループに次ぐ3位に浮上したことが注目されている。一般的にはあまり馴染みのない東京エレクトロンとは、どのような企業なのか。業界関係者の見解を交えて追ってみたい。
1963年に技術専門商社として創業した東京エレクトロンは、60年代には自社製品の製造にも着手し、86年には半導体製造装置の輸出を開始。3年後の89年には同装置メーカーとして売上高ベースで世界1位となる。
高い競争力の源泉となっているのが、研究・開発への惜しみない投資だ。国内外14の拠点で開発やコンソーシアムなどとの協業を行っており、25~29年度に計1.5兆円以上を研究開発に投資する計画。さらに今後5年で国内外で計1万人を新規採用する方針を掲げている。少し前には24年4月に入社する新入社員の初任給を一律約4割引き上げると発表したことが話題にもなった。
業績は成長トレンドで、24年3月期の売上高は1兆8300億円(前期は2.2兆円)、純利益は3400億円(同4715億円)の予想。従業員数は1万7000人(連結ベース)に上る優良大企業といえる。
半導体業界関係者はいう。
「同社の強みは幅広い分野で世界的に競争力の高い製品を持っている点だが、『伸びる』と踏んだ分野には果敢に研究開発費を投下する攻めの姿勢が成果を生んでいる。強みを持つ前工程に加え、後工程でも主力商品を育てるべく注力しており、全体的に商品構成のバランスが良いのは魅力的だ」