黒坂岳央です。
我々は安心と安全を同じような意味で聞かされる事が多い。街の防災無線からも「子どもたちの安心安全の見守りをお願いします」と流れてくる。
だが、本来これはまったく別物として考えるべきである。むしろ我々はこの言葉を同じ意味、セットで聞かされ続けたことによってかえって安心安全が脅かされていると感じることも少なくない。同じ意味どころか、時には真逆の意味合いになることもある。具体的な事例を取り上げたい。
大企業勤務は安心だが安全ではない筆者は東京で大企業に勤務していた時期があった。そこで働く社員はざっくり2タイプにわかれていたように思う。すなわち、「オレたちは天下の大企業勤務なのだから今後も給与は安泰だ」と慢心する人と「大企業だからこそ、油断すると社内政治ばかりに気を取られてスキルの研鑽が疎かになるから気をつけよう」と兜の緒を締める人である。
「大企業勤務なら安心」これは間違いない。安心は感情の話であり、大企業にいれば確かに不安はない。だが、安全か?と言われるとそうではない。なぜなら昨今、いくら大企業でも一気に傾くことがある。東京電力、東芝、JALなどかつて多くの人の憧れだった企業もどうなるかはわからない。
大企業は手厚い福利厚生や平均以上の給与が安定的に支払われるが、会社そのものは激しいグローバル競争の生き残りをかけた勝負をしておりまったく安定してはいない。否、ビジネス界に真の安定などどこにもないのだ。