黒坂岳央です。

誰しも仕事やプライベートの場で「自己PR」をすることがある。自分はどういう人間で強みは何でどんな実績があるのか?こうした自己紹介である。

恐ろしいのは自己PRの見せ方を知らずに事故PRになってしまうケースだ。そして基本的に事故っても誰も指摘も注意もしてくれない。

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ある営業マンの「事故」PR

先日、オンラインで商談をすることがあった。相手の話をフムフムと聞いていたのだが、途中から相手の自己PRタイムが始まった。「過去にテレビ番組の出演と出版もしています! フォロワーもたくさんいるインフルエンサーです!」という。つまるところ、自分はこの分野の実力者でこれだけ実績がある傾聴に値する人物だと鼻息荒くPRをしているのである。

あまりに自信満々にいうので、話が終わった後に興味が湧いてググってみたら商業出版ではなく「自費出版」であり、テレビも地上波ではなく有料出演と思われるプロモーション色の強い番組だとわかった。インフルエンサーというが、フォロワーが1万人くらい。上から目線でバカにするつもりはまったくないが、PRの強さと実績に落差を感じなかった、といえば嘘になる。

テレビも出版もお金を出して出えば正直、誰にでもできる。メディア関連に詳しい人間なら「ああ、お金を出して実績を購入したのだな」と察する。また、インフルエンサーというのは最低でも10万人以上だろうし、加えて人数だけでなく実際にインフルエンス力がないと張子の虎に思える。