2つ目はメール確認のシグナルである。過去記事でも書いたが昨今、Eメールは届きにくくなった。迷惑メールにすら入らず、まったくの未着というケースすらある。また、先方が大量のメールに埋もれて返信を見落としている可能性だってある。仕事をお断りした側としても「本件はno dealで完結した」という認識になればタスク完了となるが、返信が来なければ「もしかしてメールが未達?先方は見落としているのでは?」と不安を与える可能性がある。

1往復主義は「相手が確実に内容をチェックした」という大前提に立脚しており、メールでは仕組み上それを担保することができない(開封確認機能がないケースは多い)。

3つ目は先方の心情である。BtoBであっても、ビジネスは人と人との対話である。お断りを出す側には「期待にそえず申し訳ない」という心労になることもある。そんな時に先方から「また機会があればお願いします」と届けばホッとする。沈黙で終わると「怒っているのか?」と繊細な人は考えてしまうかもしれない。

つまるところ、メール1往復主義は自分本位で、1.5往復主義は相手本位なのだ。信用経済下におけるビジネスは利他的行動が支持される本質があるため、1.5往復主義が良いと考える。

時代が変わればマナーも変わる。昔は絶対なる権力を持っていたマナーもドンドン変化していくし、昔のマナーに縛られている会社や人や「時代に取り残されている」と疎まれてしまいがちだ。自分も老害と呼ばれる年代のド真ん中なわけで「お前は年寄りで時代に遅れている」と言われるかもしれない。

だが、上記3つの理由を覆すテクノロジーがメールに実装されない限りにおいて、やはりメールは相互の関係性を俯瞰した場合に1.5往復主義がより合理性を担保する可能性が高いと考えるのだがどうだろうか。

 

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