黒坂岳央です。

「ビジネスのメールのやり取りを1往復で終わらせるのはいいか?悪いか?」という議論がSNSで話題となっている。

たとえばクライアントから仕事のオファーを受け取り、あいにくお断りメールを出す、ここまでで1往復となる。

ちなみにお断りメールを出した後に「かしこまりました。お忙しいところ返信を頂きありがとうございました。またの機会によろしくお願いいたします」と返すまでが1.5往復となる。どちらが良いのだろうか?

日々、大量の問い合わせをEメール返信している筆者の立場で私見を述べたい。

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理想はやはり1.5往復

件の「1往復主義」の真意としては合理性ということのようである。つまり、最後の「またの機会によろしくお願いいたします」という文章を制作する時間と労力のムダであり、タイパを考えると1往復主義で良いと考えるビジネスマンが増えてきたというのだ。だが個人的には自分自身が実践している1.5往復で行く方が良いと考える。

1つ目の理由は受け手の印象だ。1.5往復で完結すると想定するビジネスマンにとって、1往復で終わったら「もうお前に用事はないということか」という印象を与えかねない。もちろん、全員ではないしその感覚が新たに変わるという話ではあるのだが、少なくないビジネスマンがそのような印象を受ける可能性は否定できない。

ビジネスの営業において取引先や潜在顧客に悪印象を与えるのは得策ではない。仮に現状の案件が流れても、将来的にまたお願いをする可能性だって十分にある。その時に「前回、気遣いがない相手だったな」という印象を持たれればもう話を聞こうと思わない人は確実にいるだろう。