次に車両整備ですが、営業車は3か月ごとに法定点検があります。これも昔のクルマで壊れやすく、性能が劣る時代ならともかく、現代においてそこまで高いレベルを要求するのはやや違和感があります。
それら2つのハードルを取り去るのが今回のライドシェアであります。つまり、普通免許で一般車両で運転できる、これが大きなポイントです。
それでもタクシー会社の運営の下での暫定的許可というのは国交省は「激変緩和措置」を取っていると考えています。もちろん、タクシー会社からの政治家を通したプレッシャーはあったはずですが、それ以上に世の中の仕組みが急激に変化することで過度の社会的影響を和らげるという意味が主たる理由だと想像しています。
個人的にはそれほど遠くない時期、数年中に全面解禁になるとみています。それは東京など都市圏でもタクシー運転手の平均年齢が58歳を超え、運転手がどんどん減っている実態を踏まえ、代替措置が早急に必要になるのは火を見るよりも明らかなのです。緩和しないとタクシーをつかまえるのが至難の業になるでしょう。そもそも高齢化社会を迎えるとタクシーへの潜在的需要はどんどん高くなるのです。高齢者層からは「海外旅行で成田に行くのに荷物持って電車で乗り換えしながらなんてもういけない。タクシーが当たり前。」という声はよく聞こえてくるのです。空港に限らず、荷物を持っていたり、足腰が良くない高齢者の足としてタクシーは今後需要増大が見込める業種なのです。
ただ、これも暫定的な話で30年代になれば自動運転のライドシェアが普及するとみており、小難しい規制のライドシェアは何だったのだろう、という話になるとみています。アプリで自分の乗る車が何処にあるか一目瞭然、値段も明朗、道は最も早くつける方法をAIが探し出すのです。
そういう意味では役所も前例主義の縛りから抜け出し、新しい世界をどう取り込むか、もう少し前向きになってもらいたいところであります。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年3月6日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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