ライドシェア、どうもこの言葉に私はしっくりこないのです。90年代にアメリカで仕事をしていた時、多くの従業員はライドシェアをしていました。それは同じ地域から同じ方向に通勤する人たちが1台の車に乗って通勤するというもので、例えば月曜はAさんのクルマ、火曜日はBさんのクルマ…といったこともあるし、いつもAさんの車に乗る代わりにAさんにガソリン代や車の損料を払うといった感じもありました。シアトルでの話なのですが、カナダからメキシコまで繋がる国道5号線はシアトル地域の主要幹線道路で当時、車線を増設しても増設しても渋滞がひどかったのです。ところが、相乗り専用レーンが出来て渋滞を片目にスイスイ車が流れたことでライドシェアが一気に普及しました。
ライドシェア、その言葉の通り、一台の車に同じ目的地の人が共に乗る、これが正しい意味です。つまり我々が今、一般的に使っているライドシェアは若干意味が違うのです。「ウーバー」は相乗りが出来るものの用途を見ればほぼ白タク、私はそれ以外の表現が正しいとは思いません。本質的な意味でのライドシェアとは違うのです。
が、世の中がそういうのでやむを得ませんが、ライドシェアと申し上げましょう。日本では今年の4月から一部地域で条件付き解禁になりますが、なぜかタクシー会社の管理のもとで許されるという訳ワカメのスタートとなります。タクシーと何が違う、と言われて厳密に説明できるかと言われればやや難しいかもしれません。
日本でライドシェアが長らく許可されなかった理由は2つ。1つは二種免許と称される旅客を運ぶ免許が必要だったこと、もう一つが車両の整備であります。ただこの二種免許の定義がわかりにくいのです。その説明は「運賃など営利を目的とすること」であります。では幼稚園やデイケアの運転手はといえば、こちらは普通免許でOKです。理由は営利ではないし、運賃を取っていないからです。ただ、送り迎えは間接的なサービス業務であり、利用者の経済的便益はあるはずなのですがそこはあいまいなのです。
では地方都市でよく見かける運転代行サービスはどうでしょうか?街中の飲み屋まで自分で運転してきて、帰る時だけ代行業者にその車を運転してもらうサービスですが、こちらは二種免許が必要です。営利目的だからでしょう。
つまり普通免許と二種免許の本質的違いは直接的な稼ぎにつながるかどうかの違いで運転技術に関して免許を取る時にはそれなりにハードルはあるでしょうが、実質的にはあまり明白な相違があるとは思えません。