先日、こんなほのぼのニュースがありました。

【参考リンク】係長がゲーム三昧で職場は回っていたのか? 業務用パソコンで「ソリティア」 横浜市職員を懲戒 ゲームのための休日出勤も

筆者も本件に対してtwitterでコメントしたんですが意外に反響が大きかったですね。

反応を見るに、「自分の職場にも同様の人がいる。なんとかしてほしい」から「邪魔にならないなら別にいい」までさまざまでしたが、総じて「日本企業ではよく見る光景」といった評価のように感じました。

なぜ、いい年のオッサンがソリティアにはまるんでしょうか。

なぜ組織はそうした中高年を見て見ぬふりをしているんでしょうか。いい機会なのでまとめておきましょう。

建物価格約749億円の横浜市庁舎 横浜市HPより(編集部)

社内失業者が最後に行き着く先、それがソリティア

まず、いい年したおっさんがソリティアやりこむ理由ですが、要は暇つぶしですね。

なんで暇なのかというと、人事制度的にはもう上がり目がないですから。新しいことに挑戦したり成長するメリットなんてなにもないからです。

また、年功賃金はそれなりにもらっていてそれは原則下がらないので、暇さえ何とかすれば定年まで食えるわけです。

年功序列の人事制度では、主任や係長、部課長くらいまでは一応競争はあるんですが、だいたい40代前半までには出世競争は白黒つくものです。

役員以上を目指すようなエリートを別にすれば、40代半ばには過半数の人が消化試合モードになるのが日本企業では普通ですね。

「ゲームで時間をつぶす」というのは極端なケースとしても、「周囲にバレないように暇をつぶしている」「最低限言われたこと以外はやらずに省エネモードで働いている」という寝そべり族みたいな人は多いでしょう。

余談ですが、昔からゲームで時間潰す人ってなぜかソリティアなんですよね。マインスイーパとかは聞いたことないですね。たぶんソリティアって、そういう孤独な中高年を引き付ける何かがあるんでしょうね。

では、なぜ組織はそういう人間を放置しているのでしょうか。実は管理部門にはそういう人間を「なんとかしてほしい」といったタレコミは結構あるものなんですが、人事部が強権発動して何とかしたという話はとんと聞いたことが無いですね。

というのも、会社側はそういうオジサンの存在は必要悪だと割り切っているからです。

仕事に値札が付いているジョブ型(職務給)と違い、日本の年功賃金は個人の能力に値札が付く属人給です。

実際はともかく、勤続年数と共に経験や能力が蓄積されるから年々上がっていくのだ、というロジックです。

だから、能力はあったとしても実際にそれだけの仕事をしているかは別ものなんですね。

むしろ「会社側が配属から異動まですべて権限を握っている以上、仮に能力があるのに仕事が無い状態の人間がいても、それは適材適所が出来てない会社側の責任だろう」という考えの人は、今でも労組はもちろん、人事部門の中にも割といますね。

というわけで、普通の日本企業では、よほど目に余る行為をしていない限りは、仕事の無い人は放置される傾向が強かったです。今までは。

最後に一点だけフォロー。