本来こういう産業政策は政治主導でやるべきですが、政治家の情報ソースは得てして官僚と業界のご説明ですから現実問題を理解していない。
(公明党の)三浦氏は「現行制度で適正な利潤が2次、3次企業にまで行き渡るのか。最前線まで届いてこそ防衛産業サプライチェーンの持続性が確保できる」と述べ、政府の見解をただした。経産相は「防衛装備庁と共同で開催する有識者検討会でガイドラインを早期に策定する」と述べた。
もう有識者がいない有識者会議なんてやめたほうがいいです。クズのような政策に第三者の「偉い先生方」も認めています、という権威付けをやっているだけです。「有識」ならば日本の防衛産業の問題点を指摘していますよ。
最大の問題はいつも申し上げておりますが、調達数、期間、総予算を明記した計画を議会に提出して、オーソライズされた後に契約を結ぶ、というアタリマエのことをやっていないことです。
事実上無計画です。国会は調達が予定される前年に概算要求でだされて、ほとんど計画が提出されずに、しかも審議する時間もないわけです。ですから事実上「軍」の要求に盲判を押しているだけです。
これは文民統制ではありません。これを新聞やテレビも全く報道も批判もしない。役所のリリースやリークの三味線で踊っているだけです。
例えば、護衛艦ならば調達数や調達期間がほぼ想定できるので、事業計画が立てられます。しかしその他の細かい装備や需品では無理です。事業計画を立てることは不可能です。ですからどこの企業も「原価」の部分にマージンを乗せているわけです。8%しか利益がないなんてのは嘘ですよ。そうでないと事業が継続できません。
【本日の市ヶ谷の噂】 航空医学実験隊の加速訓練の担当医官は循環器内科やの脳外科など気絶を扱う専門医が適任だが、現在は消化器内科医で3月中に退職。空間識訓練の担当は、めまいや乗り物酔いを扱う耳鼻科医が適任だが、現在は整形外科の育児ままさん医官が担当。低圧訓練の担当は低酸素症状を扱う呼吸器科が適任だが、現在は皮膚科医が担当。これでまともな戦闘機や練習機が開発できると大言壮語している空幕の将官は精神病院に言ったほうがいいレベル、との噂。
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月刊軍事研究4月号に陸自の18式防弾ベストに関する記事を寄稿しました。
軍事研究 2024年 04月号 [雑誌]
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Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
・次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
・次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1 駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年3月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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