防衛装備品国産化、中小企業との適正取引へ指針 斎藤経産相が策定の考え
斎藤健経済産業相は22日の参院経産委員会で、防衛装備品の国産化に力を入れるため、大企業と中堅中小企業の適正取引を進めるガイドラインを近く策定する考えを示した。「防衛省と直接の契約関係にない中堅中小企業も含めたサプライチェーン(供給網)全体で防衛産業の基盤強化を図っていく」と述べた。
自衛隊に需要が限られる防衛産業は収益性が低く撤退する企業が相次いでいる。防衛省などは装備品を発注する際の企業の利益率を従来の8%程度から最高15%まで引き上げ、新規参入や販路拡大を狙う。
いつも申し上げておりますが、海外の企業はリスクを取って自社の資金で新製品を開発しています。それが売れないこともある。当然利益は高く設定します。対して我が国では、ほぼ防衛省だけが顧客でリスクがほぼ存在しない。
この点を意図的に隠しているわけです。それを官僚が知らないわけがないでしょう。本当の問題は国際的には零細レベルの事業が乱立して競争も少なく縄張りを守っている。このようなゾンビ防衛産業を食わせるためにできの悪いクズの国産装備を他国の何倍も高いコストで、延々と細々と旧式化しても漫然と調達することが問題です。
防衛省だけではなく経産省もこの点に目をつぶっている。利益の拡大のためには事業の統廃合が必要不可欠です。プレーヤーが減って事業規模が拡大し、調達期間が減れば利益は拡大します。
ところがこれを進めると抵抗が大きく、恨まれるのでしょう。だからそれができない。だからやったふりをするために、利益率を上げてごまかそうとしている。これではメーカーを甘やかすだけです。企業の体質強化にはならず、むしろ弱体化します。ですが官僚はせいぜい2~3年でポストを変わるので、潰れたころに責任を持たなくてもいいわけです。