「光る君へ」4月14日放送の回に石山寺が出るというので、滋賀県の人はだいぶ楽しみにしていた。

石山寺東大門 Wikipediaより

従来、『源氏物語』が執筆されたきっかけは、このようなこと古くから理解されていた。

大斎院(選子内親王)より紫式部の仕えていた上東門院(彰子)に、「珍らしい本はないだろうか」という問い合わせがあったので、彰子は「『宇津保物語』『竹取物語』のようなものは目慣れているから、新しく作ってみては」と、紫式部に命じられた。

そこで、紫式部が石山寺に通夜(夜通し参籠すること)していたところ、折しも八月十五夜の月が湖水(琵琶湖)に映り、心の澄みわたるままに、物語の風情が空に浮んだのを、忘れぬさきにと、仏前にあった大般若の料紙を本尊に申しうけ、「今宵は十五夜なりけりと思し出でて」と須磨の巻を書きつづり始めたと鎌倉時代にも言われてきた。