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年間の介護保険料の通知が来た。33万円を超える金額だ。働いていると厚生年金はカットされ、年金収入の大半が介護保険料で消えていく。残った収入から、所得税が差し引かれるので、この仕組みは理解不能だ。

今後は、子育て支援分を社会保険料として徴収するという。一人約500円のはずだったが、年収によっては一人1500円を超える。「給料が上がるから、増税にはならない」という、なんとも不可解な詭弁を使っていて、選挙でしっぺ返しを食らうと思わないのだろうか?

どんな形であれ、税金が増えれば増税と思うのが市民感覚だ。給料が増えれば保険料もそれに応じて増えるし、物価もかなり上がっているので、実質的な所得は減っているにも関わらず、何という言い草だ。

また、保険証をすべてマイナ保険証にするそうだが、義務でないマイナンバーカードを保険証に結びつけること自体が、大きな矛盾なのだ。本当に施策がちぐはぐだ。

霞が関の文化は、先輩官僚が実施した制度・施策を批判しないことだ。そして、自分たちの実績を、予算獲得という形で残すことだ。後年になって批判されないので、やりたい放題で誰も責任を取らされることはない。反対に、先輩たちが実行にうつした施策がうまくいっている場合、それを継続しても自分たちの成果にならない後輩たちは、成否にかかわらず、新しいことをしたがるのだ。