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NHKニュースを見るとCOP28では化石燃料からの脱却、と書いてあった。

COP28 化石燃料から「脱却を進める」で合意

だが、これはほぼフェイクニュースだ。こう書いてあると、さもCOP28において、全ての国が化石燃料から脱却する、と合意したように読める。

実際に決定したことは、「この会議(COP28)は、締約国に対し、化石燃料からトランジション・アウェイすることを呼び掛ける」というだけだ。

だからNHKの見出しは正確に書き直すと「COP28が参加国に化石燃料からの移行を呼び掛けた」である。

中国も米国も、どこの国も、「呼び掛けられた」だけで、「脱却に合意」などしていない。

しかも、いろいろ但し書きが付けてある。まずは合意文書の該当箇所をお見せして、ポイントを説明しよう。

Draft decision -/CMA.5 Outcome of the first global stocktake

【ポイント】

calls on Parties ⇒ COPが締約国に呼び掛ける。つまり締約国の義務ではない。 contribute to the following global efforts ⇒ 世界規模での行動への寄与。つまり個々の国の義務などではない。 in a nationally determined manner ⇒ 国別決定に従って。つまり何をするのかを決めるのはあくまで個々の国であって国連ではない。 different national circumstances,.., in a just, orderly and equitable manner ⇒ 国ごとの状況に応じて、..、正義に適う、秩序あり、公平な方法で。つまり、経済開発が優先な国(中国など!)であれば別に何もしなくてよい。 accelerating action in this critical decade ⇒この重要な2020年代における行動を加速して。この加速の意味は、どうとでもとれる。意味の無い文言。