私が時折話題にするように日本の歴史が農耕をベースとする共同体組織、平たく言えばムラ社会がそのまま現代に引き継がれ、「俺の秘密はお前の秘密」的な発想は現在もずっと起きているのでしょう。だいぶ前にあったオリンパス事件とか東芝問題も同じです。いわゆるアメーバ的な10人前後の小規模組織が家族的というか盃を交わしたような良きも悪きも強い団結をすることによる功罪です。そういう意味では日本の働き方と組織論が大きく変化しない限り似た問題は何年たっても起きるわけでなんとも悩ましい状況は続くのでしょう。
ライドシェアだけじゃない、深刻な人材不足コロナ明け後、人流が増加となりタクシー不足が現実的なものとなり、政府も重い腰を上げ、来年一部でライドシェアが解禁になるべく議論が進んでいます。業界団体は相変わらず反対と言ってますが、やむを得ないと思います。解禁直後は参入者が激増すると思いますが、2-3年すれば優勝劣敗で落ち着くとみています。いわゆるギグワーカーとして配達などをする人も一時は増えましたが、脱落者がでてちょうどよくなりました。つまりどんなビジネスでも変化があると一時的にそこに人は群がるけれど残るのは全体の2-3割という原則は普遍なのです。
人材不足はどの業界でも共通。飲食関係でもその不足ぶりは深刻で結局、能力がある人はお金で釣り上げられたりして事業の生き残りが明白になります。特に24年は物流問題が話題になっていますが、時間外労働の猶予措置は建設業も医師も同じくなくなります。それ以上に私が着目するのは被雇用者の転職がかつての日本で見られなかったほど頻繁になりつつある傾向です。「こんな仕事だと思わなかった」という自分の期待感との相違であっさり退職するケースが後を絶たないのです。雇う側は「一生懸命教えて、ようやく覚えたら辞められた!」の嘆き節です。
日本人もデジタル世代が主軸となり、一日中スマホとしかやり取りしない方も増えています。特に知らない人とのリアルのやり取りなど全くもって未知の世界。仕事では自分より年上や難しい方々もいる中で凹むようなやり取りもしばしばとなれば「やってられねぇ」「精神的に参りました」になるのでしょう。ただでさえ人材不足なのに人材の有効活用できず、生産能力が更に低下するリスクに直面することになりそうです。AIにITがあるから代用が効くという方もいますが、それは表面的なこと。本質問題はそれでは解決しないと思います。
後記 北米はクリスマス直前なので街の動きもスローになってきました。かといって浮かれた感じにも見えず、静かにご家族や友人で集まる方が多いようです。今年はカレンダーの並びからカナダは23日から4連休が多く、年内は今日で終わり、というところもあります。例年になく暖冬で冬至は最も寒くなるはずが日中は7-8度もあるのは地球温暖化の一環だろうと思います。時間があれば一部で人気が盛り上がるスノーシュー(かんじき:雪山のハイキング)でも行きたいところです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年12月23日の記事より転載させていただきました。
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