昭和初期、東海道本線が熱海経由となることでアクセスしやすくなり人気観光地にのし上がった熱海でしたが、戦後の団体旅行ブームが去ると人気が衰退していきます。全盛期には年500万人を超えた宿泊客は2013年ごろには250万人程度と半減しています。それが近年は復調にありコロナ前の2019年には312万人まで復調しました。海岸沿いは新たなホテルの建設も進みます。
東京周辺の山梨や栃木などの温泉地が衰退からの復活に苦労する中、熱海が復活できたのは新幹線を使えば東京から1時間もかからない立地や、海辺の景観の美しさといった景観の有利性ももちろんありますが、若い観光客の目をひくようなショップや観光施設を充実させるなどの仕掛けづくりに力を入れてきたことにあります。
海水浴やSUP、カヌーなど若い人たちが魅力を感じるようなマリンスポーツも充実させています。このほか、駅前に日帰り温泉施設を作るなど日帰り客の取り込みも積極的に行ってきました。団体旅行から個人旅行に移り変わっていった旅行需要に対応し、特に若い人たちに焦点を当てて若い人向けのスポット、レジャーを増やしてそれをインスタなどで紹介してもらいさらに若い観光客を呼び込む。熱海ではその取り組みが奏功しいい循環になっています。
そんな熱海の海岸を歩きます。温暖な土地であることも熱海の優位性の一つでしょう。冬というのに暖かく、散歩も楽しくなります。