グローバルネットワークを通じて世界をリードしていくことで、日本の成長力を取り戻す。
昨年12月、USスチール買収について説明する日本製鉄社長(当時)の橋本英二は会見でこう述べた。
「我が社の」と言うところを「日本の」と明言したとことに私は驚いた。また、「強い日本を取り戻す」とも橋本は述べ、一企業レベルを遥かに超えた視点で物事を捉える橋本に対してスケールの大きさを感じた。
多くの会社トップが自らの会社や業界の枠の中でしか物事を語らない中で、橋本の存在は異質だ。しかし、異質だからこそ2兆円規模の大型買収を決断出来たとも言える。
本書は、その橋本英二という人物に焦点を当て、大企業病に侵された眠れる獅子を叩き起こす過程を臨場感もって描いている。