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高齢者の延命治療で懐が潤うのはどこか?

急性期病院において、DPC制度により入院が長期になると病院側は赤字に傾き、勤務医も固定給であり利はない。

低い自己負担額を優に越す公金が入る患者家族だけだ。

低すぎる自己負担により、高齢者の医療利用閾値は極めて低い。生活保護世帯含め、「医療費自己負担額」<<<「家族を生かすことによる入る公金」という不等式が成り立ち、患者背景からは適応がないと思われる延命治療や、積極治療を希望される家族が散見される。問題の比重は、個々の家族のモラルの問題よりも、制度に重きがある。

処置や治療を行うか(続ける)かどうかというのは倫理に抵触する難しい問題で、現状は現場の多職種で話し合った上で、家族と相談して決めるしかない。医療者のコンセンサスは、十分な説明を行ったとしても家族が受け入れなければ無に帰す。