しかし、通い続けることには難しさがある。自分も一時期、ジムに通ってみたことがあるが、いくつものハードルがある。

ジムにいっても筋トレというしんどい要素しか待っていない。移動に時間もエネルギーもいる。マシンの順番待ちがある。着替えやタオルなどの準備が手間だ。正直、基本的には何一つ楽しい要素はない場所へ、忙しく仕事をした後に通い続けられる胆力の持ち主はそうそういない。

ジムに通うという強制力をもたせても1年後、96%が挫折してしまう。自分自身、効率性を追求し続けて結局行き着いた答えが、自宅にジム専用ルームを作ることである(あくまで住居が広い地方在住者だからできているのだが…)。

3. 効果が実感できない

これは1の知識不足にも共通するポイントだが、「効果が実感できない」という点はあまりにも大きい。よって別枠で挫折理由として取り上げたい。

資格試験なら模擬試験のスコアが上がっていくなど、工夫すれば効果検証を入れる事が可能である。だが、筋トレの場合、たとえ正しいフォームで継続しても個人差はとても大きい。さらに客観的指標で効果検証が難しい。せいぜい、「1ヶ月前よりさらに重いダンベルを持ち上げられるようになった」といった抽象的で主観的データしか拾えない。鏡の前で力を入れてみても、自分ではそうそうわからない。といっても人前で見せても表面的なお世辞が返ってくることは明白である。辛さに耐えてわかりやすく効果が実感できなければ、より有意義な活動に貴重な時間を投下したいと考えて挫折する心理はよく分かる。

自分の場合、細かくデータを取って分析し、日々フォームを研究してアップデートを重ねているので「このまま継続すれば間違いなく結果は出る」という確信があるからこそ続けられるが、そこまでする人は少ない。なんとなく続けて1年後も生き残っていると考える方がむしろ不自然に思う。

現在は空前の筋トレブームである。多くの初心者が挑戦し、そして挫折していく。その理由は複数あるが、「最初に正しい知識をつける」これこそがファーストステップになるだろう。なんとなく始めても絶対に継続はできない。1年後生き残っている4%は筋トレ理解をしている人たちは、筋トレを学び、理解し、改善を続けているだろう。筋トレ開始前に抱く印象とは裏腹に、実は大変難しい活動なのである。

 

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