動物ホールに続く人気は、フランス各地のあらゆる美味が揃うフランス特産品ホールだ。各地方、各県、そして個人メーカーが何百ものブースを並べ、ワインやアルコール、ビール、チーズ、ハム類、野菜、シリアル、牡蠣やエビ、水産加工品、果物、菓子、パンなどを試食・販売。牡蠣の殻開け名人の実演、肉屋による塊牛肉の捌き方などのデモンストレーションや料理デモも多種多様。
それぞれの地方の伝統衣装や音楽による演出も盛んで、多くの地方が自慢の郷土料理を振る舞う簡易レストランを設置し、連日長蛇の列。このホールをひと回るするだけでフランス一週旅行気分を味わえる。
動物同様に、ワインやチーズ、ジャム、蜂蜜などの品評会も開催される。フランス本土のみならずカリブ海やアフリカに点在するフランス海外県・領土(グアドループやレユニオンなど)のコーナーも大盛況。さらに、カナダやオーストラリア、日本や中国、タイ、モロッコなど世界各国もブースを構え、特産品の紹介を実施する。
毎年初日の朝に大統領による開会宣言が行われ、大統領が会場を回る政治的なイベントの一面も持つ「国際農業サロン」。今年は、農業の危機的状況に不満を持つ農業従事者たちが大規模抗議デモを行い、開場が数時間遅れる事態に。現場で、マクロン大統領と長時間にわたる直接対談が行われた。
大統領や首相ら国のトップの訪問に続き、各地方の知事や県議、市議らも、連日地元ブースを訪問。政治家による公式訪問は100を超え、農業と国政や地政との深い関係性も見られる。
巨大動物園でありフランスの美食即売会である楽しいイベントである一方、社会や政治的に深い意義も持つ「国際農業見本市」。さまざまな観点から、フランスの”今”を感じられる。
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Salon International de l’Agriculture
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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