黒田・前総裁の異次元金融緩和政策では「サプライズ」、「バズーカ砲」を連発しました。しかも「戦力の逐次投入はしない」といいつつ、やったことは次々に新手の奇手を付け加え、継ぎはぎだらけの政策になりました。
日銀に対する市場関係者の評価は低下しました。その反省から、今度は「市場とのコミュニケーションを重視」に転換したのでしょう。
おまけに政策転換を事前に予告したかったのか、政策会合が迫ってくると、複数の審議委員が「物価上昇2%は視野に入ってきた」と、講演会で行く同音に語り、「なんなの、これは」と思いましたね。やりすぎです。機密事項のリークではないのか。日銀の権威を落すだけです。
鈴木財務相は「断固たる措置をとる」と、語りました。「断固たる措置」というなら、「財政再建目標を再点検し、持続的な財政政策がとれるようにする」と語るべきです。財政赤字、国債発行額の規模が危機的な状況が続けば、金利引き上げには限界があり、投機筋は安心して、儲けることができます。「断固たる措置」は自らに課すべきなのです。
編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2024年3月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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