ゴリゴリの営業姿勢

 さらに不祥事の発覚は続いた。今年7月、保険代理店・トータル保険サービスへの出向者が同社の顧客の損害保険契約情報、計2700件を損保ジャパンに漏洩させていたと発表された。同月、保険代理店の朋栄も、損保ジャパンからの出向転籍者が、同社からの要請に応じて朋栄の顧客契約情報1518件を損保ジャパンに漏洩させていたと発表。損保ジャパンが以前から組織的に出向者に指示して情報を漏洩させていた疑いが持たれている。

 もっとも、損保会社間での保険料の事前調整や代理店への出向者による情報漏洩は、他の損保会社でも業界の慣習として広く行われてきたものであり、業界全体で見直しが進んでいる。たとえば、日本損害保険協会は、損保会社が顧客企業への営業を目的する出向者を禁止する旨をガイドラインに明記することを決めた。

「損保業界のなかで損保ジャパンだけに問題があるというわけではないものの、いろいろと問題が目立つとはいえます。東京海上日動火災保険、、そして損保ジャパンが『大手損保3社』と括られますが、三菱グループの東京海上、と異なり、損保ジャパンは芙蓉グループとはいえ旧財閥系グループとの関係は薄く独立系に近い存在であるため、ゴリゴリの営業姿勢で現場に振られる営業ノルマがキツイことで有名です。そういう企業体質が、ビッグモーター問題をはじめとする一連の不祥事が生まれる根っこにあるように感じます」(大手損害保険会社社員)