彼らは人が嘘をつく理由を洗い出し、以下の11項目に分類しました。
- 否定的な評価を避けるため(試験の成績が悪かったのに、親に「平均点は取れたよ」と嘘をつく)
- 罰を避けるため(仕事でミスをしたが、上司に「まだ終わっていません」と誤魔化す)
- 自己顕示欲を高めるため(初対面の人に、自分の経験や実績を誇張して話す)
- 報酬を獲得するため(ボーナス目当てで上司に「プロジェクトは順調です」と嘘をつく)
- 衝動的な嘘(理由もなく日常的に嘘をつき、友人に「海外旅行に頻繁に行っている」と話す)
- 不注意からの嘘(勘違いで「会議は3時からです」と言ってしまい、その後訂正しない)
- 騙す喜びを得るため(友達に偽の情報を教えて驚かせ、「嘘だよ」と笑う)
- 秘密主義の嘘(周りに知られたくない秘密を隠すため、「仕事で忙しい」と言って友人との約束を断る)
- 保守的な嘘(友達が批判されている時に、「あの子はそんなことしないよ」とかばう)
- 社会的な嘘(友人が作った料理が美味しくないが、「とても美味しい」と伝え、場の雰囲気を壊さないようにする)
- 利他的な嘘(友達が先生に叱られないよう、「一緒に宿題をやった」と代わりに言う)
そして参加者に上記の11項目を見せ、どの動機に基づき嘘をついた経験があるか、またその頻度を尋ねました。
また同時に性格特性に関する質問紙に回答してもらい、嘘をつく種類や頻度と性格の関連性を分析しています。
意外にも自分のための嘘をつくことは少ない
実験の結果、参加者約77%が週に3回ほどしか嘘をついていないと回答し、残りの参加者は週に3-7回の嘘をついていると回答しました。
しかし、これらの報告は自己申告での回答に基づいているため、おそらくより高い頻度で嘘をついているものと考えられます。
また過去6カ月の間についた嘘の動機として一番多かったのが、他者を傷つけないためなどの利他的な理由でした。
その次が秘密にするため、否定的な評価を避けるためと続きました。