なぜ人は嘘をつくのでしょうか。
ほとんどの人は嘘をつく動機について、己の保身や自分の非を誤魔化すために利用されると考えるかもしれません。
米セント・メリーズ大学のジェニファー・マッカーサー(Jennifer McArthur)氏らは、こうした嘘の動機が性格によって偏るのでは? と考え、嘘をつく動機を11項目洗い出し、性格特性と嘘の種類の関係性について調査してみました。
すると分析の結果、確かに性格によって嘘をつく動機に違いがあることが明らかになりましたが、そこには人がもっともよく使うタイプの嘘に関する意外な傾向が見つかったのです。
研究の詳細は、2022年3月17日に学術誌「Canadian Journal of Behavioural Science」に掲載されました。
目次
- 嘘をつく動機は性格で変わるのか
- 意外にも自分のための嘘をつくことは少ない
嘘をつく動機は性格で変わるのか
日常生活で、誰しも一度は「嘘」をついたことがあるでしょう。
例えば、友達からの誘いを断るために「忙しい」と言ったり、同僚を気遣って「その髪型似合ってるよ」と褒めたりなど。
その嘘は必ずしも悪意があるものではなく、時には人間関係を円滑に保つための「優しい嘘」かもしれません。
一方で社会全体を揺るがすような嘘もあります。
ビジネスの場における不正広告、政治家の虚偽発言、信頼を裏切る浮気や隠し事など、嘘がもたらす影響が軽いものから深刻なものまで多岐にわたります。
しかし、これらの嘘をつく行為は一体どこから生まれてくるのでしょうか。
また人はなぜ時に自分の利益のために嘘をつき、他人のために嘘をつくのでしょうか。
その問いに対し、性格の側面から答えを出そうとした研究があります。
それは 米セント・メリーズ大学のジェニファー・マッカーサー(Jennifer McArthur)氏らの研究です。