以前指摘しましたが、防衛費GDP2%には何の軍事的な整合性もありません。アベノミクスが失敗したので、安倍晋三がそれを隠すために、周辺脅威を煽っただけです。無批判にそれに乗っかった安全保障界隈の「専門家」も同罪ですよ。
安倍晋三はどうせ国民は馬鹿なので、軍拡といっても借金ですれば痛みを感じないから大丈夫、と思っていたのでしょう。だから国債でいくらでも軍拡が可能だとうそぶいた。それは将来の国民への付け回しだし、財政が悪化すれば更に円安が進んで防衛費どころか、エネルギーや食品の輸入も難しくなり、国民は困窮するでしょう。
かといって党内最大派閥の安倍派には面と向かって逆らえないので、岸田政権ではGDP比2%は公約に掲げたものの、軍拡には財政の裏付けが必要だということになりました。それでも屁理屈を付けて建設国債で5千億円以上もつけています。
そして石破政権ではGDP比2%の公約を下ろしました。
やるべきことはまず社会保障費の削減であり、無理な軍拡はやめるべきです。個人的には防衛費はせいぜい7兆円程度でしょう。
それから人的資源の面からもいまの自衛隊の規模維持は無理でしょう。人員を減らし少数精鋭化すべきです。例えば陸自を5万人程度削減すれば相当の人件費が削減できます。現状まともな装備も支給できない状態ですから、むしろ兵力を削減し、装備の高度化を図るべきです。人件費を減らせばその分防衛費の抑制も可能です。
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財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料 防衛 防衛(参考資料)
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料 防衛 防衛(参考資料)
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年12月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。