果たしてこれが国会等でどこまで追及されるのか、実は私は見ものだと思っているのです。もしも野党がそれほど噛みつかなければ野党も同じことをやっている、ということです。東京地検特捜部も年末にかけて大忙しになるでしょう。個人的には何処の党でも大なり小なり似た体質ではないかと思っています。それを私は「体育会系旧態依然」と申し上げるわけです。
ところで世界のジェンダーギャップで日本は何年たっても世界百何十位で低迷していますが、理由の一つは政治部門のジェンダーギャップ遅延であります。が、日本の政治遅延はジェンダーギャップ問題だけではなく、政治体質そのものが昭和の時代から実態はほぼ変わらないのでしょう。儒教の教えかと思わせるような年功序列ならぬ当選回数主義もあるかもしれません。法律は政治家が作るので「自分に甘く、他人に厳しく」では改善しようがないのです。仮に勇ましい政治家が何人かいても多勢に無勢です。
この件について政治家も反論しています。「秘書10人、食わせられない」と。国からお金が出るのは3人まで。ならば残り7人の食い扶持は誰が出すのか、であります。秘書が10人は多い人の場合で5人ぐらいの人もいます。この差は企業努力ならぬ政治家の懐勘定の上での判断かと思います。しかし、秘書と言っても一部の方は代議士センセーの地元の選挙応援団、平たく言えば営業マンなんです。秘書と言うのは聞こえが良いだけ。営業マンがいるからこそ、政治家に当選したんでしょ、と言われれば政治家のコストとして税金控除してもらえればよいのですが、案外低所得者になってしまう代議士もいるかもしれません。少なくとも裏金で人件費を処理するなんてありえないし、それならば税務調査したら一発で不正がばれるはずです。だけど、政治家の事務所に税務調査なんて恐ろしくてやらないのでしょうね。一般企業にはすぐに来るくせに。
金がかかる政治を見直すこと、これが第一義です。スーツ着た人と企業の寄付が政治を支えているのではありません。全ての人のために政治家は選ばれているという精神に立ち返ればスーツ着たおっさんが高級ホテルに集まるのが政治ではないのです。建設現場で作業員と話す、介護施設でおばあさんと笑顔を交わす、スーパーマーケットで街の声を拾う、というごく地道な活動も政治家のあるべき姿なのに当選した瞬間、別人になり、運転手付きのクルマの人となるのは明らかに勘違い人生だと思いませんか?
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年12月4日の記事より転載させていただきました。
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