昔、秘書をやっていた時、政治資金パーティーはトップに同行するのでたまに行っていました。ホテルニューオータニの「鳳凰の間」は「あぁ、またあそこね」という感じだったと記憶しています。行くと高級そうなスーツに身を固めたいかにも会社の役職者と思われる方々があちらこちらで小さなグループを作りながら談笑をしています。
政治資金パーティーでも会社の役員が交替した時のパーティーでも秘書の一つの役目は親分になにか食べさせることで、小皿に適量によそってそれをタイミングを見てさっと差し出し、小腹を満たしてもらう、という感じです。あとはつかず離れずながらも「会長、あちらに〇〇社長がいらっしゃいます」と囁くと歓談中も「では失礼」といってそそくさとその次の方に挨拶をする、つまり上流社会の社交場であります。
その政治資金パーティー、結局、会社の総務部あたりに秘書が来て頭を下げられ、会社の稟議で「〇〇代議士の依頼によりパー券、20枚購入いたしたく」と来るわけです。もちろん、それを購入しても実際には2-3名しか出席しません。
そのパー券は政党の派閥が主体であり、その派閥所属議員が割り当てられ「お宅はまだ一期目だから50枚ね」といった感じで受け持つわけです。学生の集まりの際のパー券捌きと何ら変わりない訳です。彼らは一枚一枚売るわけにもいかないので秘書が企業訪問して「何卒よろしく」と頭を下げて買わせるわけです。大口になると代議士本人がトップのところにきて「よろしく」といってどんと割り当て量を置いていくわけです。
政治資金パーティーは法律的には問題ないのですが、代議士も人の子なり、と考えれば間接的にでも出してくれる企業さんには頭が上がらない、ということもあるし、逆に悪知恵のある人ならそれで政治家を利用することも出来なくはありません。
今回報道にあったキックバックというのは私は知りませんでした。学生パーティーの際に10枚売ると1枚ただでもらえるというのと仕組みに似ているのでしょうか。つまりたくさん売った方には褒美があるわけです。最大の問題はその褒美の金額が何処にも記載されておらず、それが総額で億単位になっており、特に安倍派の不記載がダントツに大きい、というのが今日発覚している話です。