- 建設業の平均時給の国際比較
次に、建設業の労働時間あたり雇用者報酬について、先進国の中での国際比較をしてみましょう。
図4が建設業の労働時間あたり雇用者報酬について、2021年の購買力平価換算値を比較したグラフです。
日本は31.0ドルで、OECD30か国中17位、G7中最下位ですが、OECDの平均値30.9ドルをわずかに上回ります。
実は産業別にみた場合に、日本がOECDの平均値を上回るのはこの建設業だけです。
労働時間あたり雇用者報酬 建設業 購買力平価換算 2021年 単位:ドル 30か国中 1位 49.2 ベルギー 4位 45.0 フランス 8位 41.6 ドイツ 9位 41.0 アメリカ 15位 32.1 イギリス 16位 31.2 イタリア 17位 31.0 日本 平均 30.9
また、建設業の平均時給は、多くの国で全産業平均値よりも低いようです。
2021年で全産業平均値より高いのは、バルト3国と日本だけという少数派となります。
- 建設業の平均時給の特徴
今回は建設業の平均時給に相当する労働時間あたり雇用者報酬をご紹介しました。
建設業も工業と同様で、先進国の中では水準が低い方になります。
ただし、OECDの平均値を上回り、順位も工業や全産業平均値よりもやや高いようです。
建設業は各国とも縮小傾向で、2019年の時点では労働者数で見ると全体の6~8%を占める比較的労働者数の少ない産業です。
ただし、建設業はインフラの拡大・整備などにはなくてはならない産業ですね。
今後その他の産業についてもご紹介していきますが、日本は産業間で相対的に水準の低い産業が、国際的に見るとやや高めの傾向にあるようです。
逆に金融保険業や情報通信業など産業間で相対的に水準の高い産業が、国際的に見て低めという傾向になります。
言い方を変えれば、産業間の給与格差が小さいと言えると思います。
建設業はその傾向が顕著に表れている例と言えそうですね。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2023年12月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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