もう1つは、先にも触れたとおり『「差別はいけない」と…』は2019年の本で、私は同年10月の4刷時に帯を寄せたので、上記の「ワクチン」の文面は翌年の新型コロナウイルス禍よりも前に書かれているということです。

ワクチンの本質を人文学の語彙で定義すれば、これまた「身体と健康への『逆張り』」でしょう。ある程度飼いならした形で、あえて体に悪いもの(擬似的なウイルス)を体内に入れる。その結果として、本当にヤバいウイルスに直撃される前に、免疫を手に入れる。

しかしご存じのとおり、コロナ禍で起こったのは「ワクチンは『順張り』だ!」の大合唱だったんですね。それも新たに開発されて、まだ十分解明されていない機序を持つワクチンを「打つのが当然」といった雰囲気が煽られて、死亡も含めた健康被害が出ている。コロナ収束に果たした役割についてすら、近日は疑念が寄せられ、欧米を中心に科学的な再検証も始まっています。

こうした一時の勢いだけで「俺らは順張り」だと錯覚してしまうという時代の病は、どうすれば治癒できるのか。手がかりとして私の場合は、「古典をよむ」という処方箋を考えているので、ぜひその有効性についても綿野さんと議論できればと思っています。

多くの方にご来場いただければ幸いです!

追記(2月10日) Yahoo!のサービスである「PassMarket」でも、デジタルチケットを購入可能になったとのことです。こちらからどうぞ。

編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2024年1月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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