グローバルリーダーの仕事ぶり

牧野さんに時間の使い方に革命をもたらしてくれたのは、グローバル企業のリーダーの仕事ぶりだったと言います。そもそも彼らは、プライベートを犠牲にしてまで、仕事に打ち込んでいる様子はありませんでした。

「長期の休みをとったり、午後には男性でも子どものお迎えに行ったりして、自分の時間、家族の時間を存分に楽しんでいました。にもかかわらず、仕事では圧倒的な成果を出していました。 実際、そうした上司、部下、同僚たちやMBAスクールの友人たちはどんどんステップアップし、プロフェッショナルとして活躍しています」(牧野さん)

「日本のビジネスパーソンの友人たちは役職にかかわらず、多くが有給も消化できないほど休みが少なく、かつての私のようにプライベートに時間を費やす余裕がない。また最近では変わってきましたが、子育てや家事などに参加しない男性も多いようです。そのしわ寄せは当然、パートナーに向かいます。総じて人生を楽しめている人が少ないように見えました」(同)

国連が発表している「世界幸福度ランキング」では、G7のなかで最下位、自殺死亡率は1位、有給消化率も約60%と最低水準となっています。実質経済の伸びは最下位。時間あたりの労働生産性を見ても、OECD加盟国の中で下位に沈んでいます。仕事漬けにもかかわらず成果が伴わないのは何故でしょうか。

牧野さんは、世界のビジネスパーソンの働きぶりを分析し、知らず知らずのうちに、特殊な「サイクル」を回していることに着目します。これらを体系立てて、最強の時短術としてまとめたのが本書です。新しい時間術を知りたい方には参考になる一冊でしょう。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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