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この記事で落ちている視点は、いつも申し上げているように、どんな装備を、いくつ、どのくらいの期間で調達して、予算はいくらか、という計画ができるのか、ということです。

他の国では当たり前にやっている話ですが、世界で唯一日本だけができていない。

計画がないということは、国会でその調達に関して議論がされていないということです。

防衛大臣ですら10式戦車の調達数が何両でいつまでに終わるか、その予算はいくらになるのか知りません。事実上国会が機能しておらず、文民統制とはいえないということです。

これが平和国家というやつなんでしょうか?

当然計画がないから、事業者は事業計画が立てられない。それも大手ならなんとかなるでしょうが、中小は厳しい。であれば相当のマージンを見込んで商売するか、天下り使って汚い手を使って商売せざるを得ない。特に需品にクズみたいなインチキ業者が多いのはこういう杜撰な調達も背景にあるかと思います。

本来今回の10年の長期計画が可能という話も、この話を抜きにしては語れない。ところがそんな話を書く新聞がない。

記者クラブでつるんでいるから、外国の事情も取材しないし、理解できないのでしょう。

これは質問している国会議員も同じです。

「兵器ローン地獄」が来るかも…「例外」だった高額武器の分割払いを「当たり前」にできる法案が衆院を通過 東京新聞

自衛隊の武器を製造企業との長期契約でまとめ買いできる時限法を恒久化する改正案が19日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決した。 立憲民主党や共産党などは、分割払いによる「兵器ローン」が大幅に膨らみ、財政悪化を招くとして反対した。(川田篤志)

予算の単年度主義 憲法86条に基づき、毎年度の政府予算の編成で国会の議決が必要とされる原則。財政を民主的にコントロールする狙いがある。ただ財政法では、大型公共事業などを念頭に、複数年度の契約の予算を組むことができる「国庫債務負担行為」によって、契約期間の上限を5年と定める。2015年に成立した長期契約の時限法は、艦船や戦闘機などの「特定防衛調達」に限り、上限を10年に規定。「財政法の一般原則の例外を設ける」として財政への影響を見極めるため、5年の時限法とし、19年にさらに5年延長していた。

◆「まとめ買いで安く」防衛相は強調するけど 木原稔防衛相は、現時点で長期契約が完了したP1哨戒機や大型輸送ヘリコプターCH47など5件で、まとめ買いにより計726億円の縮減効果があったと強調。「財政の硬直化への影響はなく、恒久化法を提案した」と説明した。 共産党の赤嶺政賢氏は反対討論で、24年度当初予算案の策定時点でのローン残高が15年度と比べ3.3倍の約14兆2000億円に膨らんだと指摘。「長期契約は大軍拡の財源を保障するもので、恒久化は断じて認められない」と訴えた。