目標を達成したら引退する

上述の通り、人は目標をかかげそれを達成したら次の目標に向かって進むのが一般的だ。いつまでも上を目指して進み続ける。アイドルのような人気商売ならなおさらその傾向は強まる。だが引き際を誤ると「あの人、昔は良かったんだけどね」と言われてしまう難しさがある。どうすればよいか?

結論的には「目標を達成したら潔く引退する」が一定の合理性を持つ文脈が存在するのではないだろうか。筆者は英語を教えるYouTubeチャンネルを運営している。自分はチャンネル登録者は数より質が重要だと考えているので数には興味がなく、あまりチャンネル登録者数は見ていない。逆に急激に数が増えると、何かと面倒事も増えてしまうので「バズなんて要らない。少しずつ微増くらいが理想」と考えている。

仮に引き際よく引退することを実現するなら、「チャンネル登録10万人を達成したら、次は100万人を目指します!」という代わりに「10万人到達したらそこで動画の更新をやめ、新しく別の仕事を始めます!」という方が良いのかもしれない。

いつまでも同じことを繰り返しても、自分も見ている側も飽きてしまうだろう。それなら小さな実績を残した時点でスパッとやめてしまうのだ。引き際よくやめる戦略を持つことは、人生全体を最適化を考える上で合理的である。

引き際が美しい人は尊敬をする。人は過去や現状の栄光にしがみつき、そこから自己肯定感を受け取り続ける。それはまったく新しいことを始めるよりはるかに楽で確実だからだ。しかし、人生は短いようで発展性のない日々を送るには長すぎる。少しずつ、引き際を考える時が来ているのかもしれない。

 

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