隠しきれない承認欲求
ビジネスや営業の商談において、「それ必要?」と感じる隠しきれない承認欲求を感じる相手がいる。
筆者は新しいITサービスについて商談を受けることがあるが、営業を受けるこちら側のニーズを一切無視して、その間ずっと話し続けることがある。
自社サービスの魅力を一生懸命伝えようと熱意を感じるなら何も問題ないのだが、そうではなく営業の自分がいかに営業成績が良いかとか、この分野で物知りかを発表する場にしていると感じることがあるのだ。ビジネスマンの個人的な承認欲求を消化することに時間を使わされるのはたまらないし、どれだけ良いサービスでも少なくともその営業からは買いたいとは思わなくなってしまう。
加えて、承認欲求が強すぎると「この部分ってどうなのですか?」と純粋な疑問を投げた時にムッとした感じで強めに返されてしまうことがある。おそらく相手から疑問を持たれることを「なんで自分の話を理解しないのか!」と受け取った可能性がある。
承認欲求が強すぎると対人コミュニケーションにおいて矮小さを感じさせてしまうので注意が必要だ。
「いや」「でも」と否定語が多い相手との会話で話の頭に必ずといっていいほど「いや」「でも」という人がいる。そして後続の話の内容はその否定語を受けてのものではないことが多く、単なる口癖になっているだけだと推測ができる。
しかし、これはやめた方がいい。筆者はコールセンター勤務時代に話し方の研修で「Yes But法」という話し方を訓練されたので余計に気になってしまう。相手の話はまず受け止め、その後に否定する根拠を伝えた方がいい。最初に否定で受け止めると相手からは「この人と会話するといつも気分が悪くなる」という印象を与えかねないのだ。
なんでも否定から入る本人に悪気がないことが多い。相手を否定してマウントを取りたいという欲求などもない。ただの話し方のクセだ。しかし、否定されて嬉しい人はいないので少なくとも会話の頭には持ってこないほうが無難だろう。
◇
大人になってからは話し方をなかなか矯正してもらえない。特に起業すると本人の気づかないまま相手にカチンと来る話し方を続けて、知らない内に損をしてしまう場合がある。これはとてももったいないことだ。人が介在しないビジネスはほぼ存在しないので、大人になった後にこそ話し方を勉強する価値はあるだろう。
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提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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