<事例1b>鳩山由紀夫氏website
「友愛」が導くもう一つの国家目標は「東アジア共同体」の創造であろう。もちろん、日米安保体制は、今後も日本外交の基軸でありつづけるし、それは紛れもなく重要な日本外交の柱である。同時にわれわれは、アジアに位置する国家としてのアイデンティティを忘れてはならないだろう。経済成長の活力に溢れ、ますます緊密に結びつきつつある東アジア地域を、わが国が生きていく基本的な生活空間と捉えて、この地域に安定した経済協力と安全保障の枠組みを創る努力を続けなくてはならない。
純粋意識(アプリオリ)に基づく友愛(友情・愛情)を根拠にした東アジア共同体の創設を夢見る鳩山由紀夫元首相ですが、残念ながら鳩山氏からの一方的で盲目的な友愛は中朝韓から返報されることなく現在に至っています。
鳩山元首相は仕方なく土下座外交を一人で継続中です。友情・愛情という感情は物事を促進する「寄与条件」にはなり得ますが、現実世界において、国際的友好関係構築の「必要条件」「十分条件」にはなり得ません。このような何の実体もない「友情に訴える論証」に騙されない中朝韓はその意味で見事です(笑)
<事例2>辻元清美氏への選挙応援
<事例2a>産経新聞 2021/11/10
■山崎拓元自民副総裁、辻元氏応援は「友情」
自民党の山崎拓元副総裁は10日、衆院選で大阪10区から出馬した立憲民主党の辻元清美氏を応援したことについて「一言でいえば友情だ。立民の応援に行ったわけではなく、辻元氏個人の応援に行った」と説明した。
<事例2b>デイリースポーツ 2022/06/25
■蓮舫氏×辻元清美氏がタッグ演説「私達は女の友情で結ばれてる」
参院選(7月10日投開票)に東京選挙区(改選数6)から立候補した現職で立憲民主党の蓮舫氏(54)、同党の比例代表に立候補した前衆院議員の辻元清美氏(62)が25日、東京・北千住駅前で街頭演説を行った。(中略)昨年秋の衆院選で落選し、議員バッジを失った辻元氏は「私たちは女の友情で結ばれてるんです。蓮舫、辻元をしっかり国会に戻していただいて、選挙でしか作れない強い野党を作っていきたい」と意気込み。
日本の政党政治を基盤とする国政選挙は、党の公約という政策を掲げて民意を問うものです。自由民主党所属の山崎氏による立憲民主党所属の辻元氏への応援行動は、辻元氏への友情を根拠にして辻元氏の政策を肯定するものであり、典型的な「友情に訴える論証」です。
一方、辻元氏の「私たちは女の友情で結ばれてるんです。蓮舫、辻元をしっかり国会に戻していただいて」という発言は、「友情に訴える論証」ではなく、辻元氏と蓮舫氏が互いの友情に返報するために力を貸してくれるよう有権者に媚びたものに過ぎません。
ただし「媚びる」という行為は、自分にマウンティングしてもよいという好意を相手に贈ることで、その好意に返報するよう求めるものです。友情の心理的メカニズムを巧みに利用していることには変わりありません(笑)
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