自動車は現代人のメジャーな移動手段となっています。

自動車のおかげで、人々の日常的な移動距離は大幅に増加し、休日には遠出のドライブに出かける人も多いでしょう。

しかし一方で、自動車の使いすぎは日々の幸福を減らしてしまうかもしれません。

このほど、米アリゾナ州立大学(ASU)の最新研究で、日常的な外出移動の50%以上に車を使っていると、生活満足度が低下することが判明したのです。

ちょっと近場に行くくらいなら、歩きや自転車で済ました方がいいかもしれません。

研究の詳細は2024年11月19日付で学術誌『Travel Behaviour and Society』に掲載されています。

目次

  • 車の使いすぎは生活満足度を下げるのか?
  • 生活満足度を下げる「車の使用頻度」とは?

車の使いすぎは生活満足度を下げるのか?

心理学における「生活満足度」とは、個人が自身の生活全体に対してどの程度満足しているかを評価するものであり、幸福感を調べる指標となります。

従来の研究で生活満足度を評価する際は主に、

・仕事(仕事内容や収入、職場環境、キャリアの充実感)

・人間関係(友人や恋人、家族、同僚との関係性)

・経済状況(所得、貯金、経済的な安定性)

・余暇活動(趣味や自由時間の充実度)

・住環境(自宅や周辺環境の快適さ、緑地へのアクセス)

などの項目を対象としてきました。

しかし研究者たちは近年、日々の外出移動がどれほど生活満足度に作用しているかに関心を寄せ始めています。

中でも特に注目しているのが「自動車の利用頻度」です。

世界の先進諸国では今や、自動車を主な移動手段として使っている人が多くいます。

自動車は現代人のライフスタイルに深く根付いており、毎日の通勤やちょっとした買い物、友人や恋人とのドライブ、休日の遠出など、あらゆるシーンで役立っています。

また自動車の利便性や快適性、移動の柔軟性などが、ポジティブな感情を高めることを示した研究も報告されています。

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車の使いすぎは生活満足度を下げるのか?/ Credit: canva