一方、ジョージアとロシア間には歴史的、政治的、経済的なつながりが深い。両国間はアブハジアと南オセチアという領土問題を抱えている。ロシアは2008年、それら地域の独立を承認し、事実上、占領している。エネルギー供給では現在はアゼルバイジャンからの供給に切り替えているが、ロシアの影響は依然大きい。ロシアに出稼ぎに行くジョージア国民の送金は同国にとって貴重な収入源であり、ワイン、農産物などの輸出先としてロシアとの経済的結びつきは強い。ウクライナ戦争勃発後、ジョージアに移住するロシア人が増えている(「西側指向のジョージア国民の『苦悩』」2024年12月1日参考)。
ちなみに、欧州議会は先月28日、ジョージア議会選挙の結果を「重大な不正があった」として無効と表明し、1年以内に再選挙を求める決議(非拘束決議)を採択した。なお、EUは抗議デモの弾圧を受け、「警察による残忍で違法な暴力が行われている」とジョージア政府を非難している。EU外相会議は16日、ブリュッセルで「制裁を含む措置」を検討する予定だ。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年12月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。