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よく日本では「トランプ大統領が変人なので科学を無視して気候変動を否定するのだ」という調子で報道されるが、これは全く違う。

米国共和党は、総意として、「気候危機説」をでっちあげだとして否定しているのだ。

そしてこれは「科学を無視しているから」などではない。「科学をよく知っているから」こそである。

米国の議会公聴会では、共和党が招聘した科学者も証言をする。そこで「ハリケーンの激甚化など起きていない」とか、「数値モデルによるシミュレーションは過去の再現すら出来ない」といったことをはっきりと、データを示して証言する。

だから共和党の議員はみな、気候危機説などウソだとよく分かっている。日本の政府御用学者が、データを隠し、気候危機を煽り、脱炭素の説教をして、オールドメディアも国会議員もみなそれを信じ込んでいるのとは対照的だ。

米国の科学者の証言は、これまでも何度もまとめられてきたけれども、現在進行形で、共和党系の有力なシンクタンクであるヘリテージ財団が一連の委託報告書を発表している。

そこから少しだけ紹介しよう。

ほとんどのコンピューター気候モデルは、過去50年間について、地球の気温上昇の速さが観測よりも速い。つまり「温暖化しすぎ」である(図)。公共政策は、気候の影響を誇張する気候モデルではなく、気候の観測結果に基づくべきである。

Global Warming: Observations vs. Climate Models

図 過去の地球の平均気温(1979-2022)。気候モデルの平均(赤)は観測値(青)よりもはるかに気温上昇が速い。(なおこの気温には、後述のように、都市熱も混入しているので、両者の差は本当はもっと大きい)。