この結果は、両生類から哺乳類に至るまで、脳には種を超えた類似性が存在しており、哺乳類の新皮質が両生類の終脳に先祖となる細胞型を持っていることを示しました。
どうやらウーパールーパーと哺乳類は種としては大きな違いがあるものの、脳には似たような細胞が存在していたようです。
次にチームは、ウーパールーパーの頭部を切開して終脳の一部を取り除き、損傷後1週間から12週間までさまざまな段階を調査し、再生過程においてどんな細胞が現れるかを調べてみました。
すると、脳の再生は3段階にわかれていたことが判明します。
第1段階ではニューロンの元となる細胞(前駆細胞)の急激な増加が起こり、それらの細胞の一部が治癒過程のスイッチを活性化していました。
第2段階では、増えた前駆細胞が中間となる神経芽細胞に分化。
第3段階では神経芽細胞は失われた脳と同じタイプのニューロンに変化していきます。
そして最終的には、切り取られた全ての細胞タイプが完全に復元されていることが確認できました。
また驚くべきことに、再生した脳領域と残った脳領域の神経が元と同じように再接続されていることも観察されたのです。
このような再配線は、再生された脳領域が単に穴埋めされただけでなく、元の機能を取り戻している可能性を示します。
しかしより興味深いのは、脳再生が行われているときだけ活性化する遺伝子の存在でした。
脳再生という気興味深い現象は、いったいどんな遺伝子によって駆動していたのでしょうか?
脳再生では「ありふれた遺伝子」たちが活躍していた
脳再生はどんな遺伝子によって引き起こされていたのか?