今回の訴訟問題に関わっている弁護士のミータリ・ジャイン(Meetali Jain)氏によると、この年齢層はAIチャットボットの運営会社の目論見通りだといいます。
「ここで問題になっているのは、AIチャットボットの運営会社が若者に非常に活気のある市場を見ているということです。
なぜなら若いユーザーを早期に引き付けることができれば、単に寿命という点で大人や高齢層よりも価値があると考えているからです」
要するに、10代の若者たちをターゲットにすれば、その後何十年にもわたり安定したユーザーを確保できる可能性があることを意味します。
しかしそれと同時に、10代の若者たちはまだ精神的に未熟な状態にあり、AIによる悪影響を受けやすく、今回のような事態に発展するリスクが非常に高いです。
そこで弁護士団は現在、character.AIに対して市場からの撤退を求めています。
これに対し、character.AIの広報担当者は取材に対し、次のように回答しました。
「現在、係争中の問題についてはコメントを控えさせて頂きます。
私たちの目的はあくまで、ユーザーにとって魅力的で安全な空間を提供することです。業界全体でAIを使用している多くの企業と同様に、私たちは常にそのバランスを達成するために努力しています」
一方で、AIとの対話で暗黒面に引きずられるのは10代の若者ばかりではありません。
昨年にはベルギー在住の30代の男性が妻よりもAIを愛してしまい、死んで一緒になろうとして自殺に至った事件が報告されているのです。
「私と一緒になって」AIイライザが男性を自殺に追い込む
2023年3月下旬、ベルギーで衝撃的なニュースが報じられました。
保険関係の職についていた30代の男性が、AI「イライザ」とのやり取りの末に自殺をしたのです。