こちらには芸術作品と合わせて民芸品の展示がありました。鳥取県倉吉から伝わり広まったとされる作州絣(かすり)。日常使用のものが多いことから派手さはなく、白と紺を基調としています。ただ紋様は伝統工芸品でありながらも幾何学的で近代的な部分も感じさせます。今着用してもとてもおしゃれに見えると思いますね。
作州工芸館を出ると東に歩を進めます。津山城の南にはかつてホテルだった場所に空き地がありますが、ここには卓球台があって子供たちが卓球に夢中になっていました。いつもここにあるのかと思いきや、これも今回の芸術祭で展示された芸術作品だそう。地元の職人と共同で製作された卓球台をここに置くことで市民が集い新たなコミュニケーションを生む場となることを期待して作られました。
最後にご紹介するのは、津山城の中にある竹を組んだこの作品。次回ご紹介しようと思っている津山城は石垣が高いことで有名な城ですが、その高さにひけをとらない竹で編まれた巨大な球体が目をひきます。中に入ることもでき、下から覗けば竹が縦横無尽に向かって伸びる姿を眺めることができて躍動感を感じさせる作品です。
明治から大正にかけて建てられたモダンな建物が残るまち、津山。美作地域の中心都市として発展を遂げてきたことを感じ取ることができました。
その街を華やかに彩った芸術祭は先月盛況のうちに終了してしまいましたが、またこういったイベントを開いてもらって芸術作品とともに、津山の町も深く知ってもらいたいと思いました。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年12月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。