昨2023/24シーズン、マンチェスター・ユナイテッドのエリック・テン・ハフ監督(2024年10月28日解任)は、チームのパフォーマンスを巡って批判を受けてきたが、それも無理のないことだろう。多くの負傷者を抱えた中でチームを指揮する難しさは見過ごせない。就任以前から、MFポール・ポグバやFWアントニー・マルシャル(AEKアテネ)、DFルーク・ショーといった選手が頻繁に負傷を繰り返していた。ショーとマルシャルはテン・ハフ監督体制下でプレーする機会を得たものの、再び治療室に戻ることとなった。
DFタイレル・マラシアは昨シ-ズンはチームに加わっていない。2024年5月に引退したDFラファエル・バランや、今2024/25シーズンはコンスタントに出場しているDFリサンドロ・マルティネスも、昨シーズンはほとんど試合に出場できなかった。ユナイテッドはセンターバックの組み合わせを14通りも試さざるを得なかった。安定したスタメンを組めない限り成功は決して訪れない。この点については、どのチームも同様に痛感していることだろう。
1位:チェルシー
負傷者数:17人
負傷選手への給与支出額:4,4595,000ポンド(約86億4,710万円)
チェルシーの選手層は全体的に見れば比較的健康であったかもしれない。しかし、トッド・ベーリー会長体制下で大量の選手を獲得した結果、この負傷選手への給与支出額が高額になるのは避けられなかった。また、移籍前から負傷問題を抱えていた選手を獲得したケースもあり、リスクが常に存在していたことは否定できない。
昨2023/24シーズン開幕以降、チェルシーが負傷した選手に対して支払った額はプレミアリーグで最も高額な金額である。中でも、DFウェズレイ・フォファナは349日間負傷離脱し、この期間に試合時間の75.7%を欠場した。彼に支払われた給与コストは997万1,429ポンド(約19億3,336万円)にのぼる。合計17人の選手が負傷しており、1人あたりの負傷による平均欠場日数は127. 7日にも及んだ。これらの負傷がチーム全体のパフォーマンスに与えた影響は計り知れない。